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HOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)

日本卵巣組織凍結保存センターとは


日本卵巣組織凍結保存センター(旧卵巣バンク)とは、卵巣凍結における凍結技術・設備を独立させ、各医療機関と連携することによって、

妊孕性温存に有効とされる卵巣凍結を必要に応じて地域格差なく選択していただけるようにすることを目的としています。

ネットワークを構築することで卵巣凍結を普及させる


2016年11月現在、当院の3施設を含めて、卵巣凍結を実施できる医療機関は31施設あるとされています。

しかし、現時点で十分な症例数を実施している施設は非常に少なく、日本での卵巣組織凍結は未だ広く普及しているとは言えません。

卵巣組織凍結における難関の一つが凍結技術および施設、あるいはそれにかかわる人材の不足です。

先行するドイツやデンマークのモデルに倣い、日本独自の卵巣凍結ネットワークを築き上げたいと思います。

凍結技術の専門性


従来から、患者さまへの身体的な負担は発生するものの片側卵巣の摘出あるいは部分切除に関する手術は

手技としては確立されており決して難しいものではありませんでした。

しかし、凍結技術となると話は異なります。

通常、私たちのような生殖補助医療(ART)においても、この技術の実行者は「胚培養士」と言われる担当です。

一般に胚培養士は、生殖補助医療においても人材の数が足りないとされるほどの希少人材です。

その上で、卵巣凍結における専門の技術や専門の設備が必要となります。

凍結に関するヒト・モノが想像以上に入手が困難なのが実情です。

加えて、卵巣組織は通常の受精卵とは全く異なるため、凍結方法自体も別の「緩慢凍結法」が求められているのです。

婦人科医の負担を軽減できる

ましてや、悪性腫瘍を取り上げると、年々患者数は増加の一路をたどっています。

国立研究開発法人国立がん研究センターの発表によれば2015年の罹患数で、

2014年予測から10万例増加しているという報告がされています。

そうした環境の中で、凍結技術を身に着ける時間さえないと考える関係者も少なくありません。

それが、凍結技術を持つ設備と連携することは、単にリスクを軽減するだけでなく、

卵巣摘出と移植の業務のみに専念可能となることになり、よって妊孕性温存に対する意識・モチベーション向上が期待されます。

がん治療医の負担も軽減できる

また、がん治療医に対しても同様に、妊孕性温存までを自院で手掛けることが困難であったとしても、凍結技術を外部で負担できることによって、

卵巣凍結というものを容易かつ安定させることができ、がん治療・原疾患治療に専念することが可能になると考えられます。

凍結の継続性


卵巣凍結はひとたび行う、長いもので30年以上の凍結保存を視野に入れて考えなければいけません。

法人としての継続性はもちろんのこと、東日本大震災や先般の熊本地震のように、

天災に対してのケアも考えなければなりません。

当院では東日本大震災を自ら経験し、その教訓を活かしたうえでの保存方法はもちろん、

当院単体で仙台・東京間での連携をしているほか、他の医療機関とも連携をし、

東京・関西においても相互補完を実施することによって、継続性の担保を実現しています。

卵巣組織凍結保存センター活用の流れ


フロー

患者さまを出発点として、大きな流れとしては

1.原疾患治療施設または内視鏡医のいる専門施設にて卵巣を摘出

2.卵巣を摘出し、日本卵巣組織凍結保存センターに搬送

3.日本卵巣組織凍結保存センターにて卵巣組織を凍結保存

4.原疾患治療後、日本卵巣組織凍結保存センターから移植可能な施設へ搬送

5.卵巣を患者さまに移植

という流れで活用いただくことができます。

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